Wednesday, May 7, 2008

日中首脳が共同声明に署名、「戦略的互恵関係」を推進

日中首脳が共同声明に署名、「戦略的互恵関係」を推進

 福田康夫首相は7日午前、来日中の胡錦濤中国国家主席と首相官邸で会談した。原則として毎年どちらかの首脳が一方の国を訪問するとともに、環境・エネルギーを協力の重点分野に据えることで一致。会談後、両首脳は「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、アジア太平洋地域や世界の平和に責任を負い、ともに貢献することをうたった日中共同声明に署名した。

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「ギョーザ」「チベット」具体的進展なし 日中共同声明

2008年05月07日15時59分

 福田首相と胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席が日中首脳会談後に発表した「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する日中共同声明」は、両国がアジアに並び立つ新しい時代の基本原則をうたった。最大の懸案だった東シナ海のガス田では、踏み込んだ表現は避けたが、会見で両首脳は最終合意への意欲を示し、解決の糸口が見えてきた。

 中国製冷凍ギョーザ問題、チベットをめぐる人権問題では具体的な進展はなかった。

 両国首脳による署名は72年の「日中共同声明」以降の一連の共同文書では初めて。日中関係を「互いに脅威とならない」「最も重要な二国間関係の一つ」と規定したうえでアジアと世界の平和と安定に責任を負うことで一致した。好転しつつある日中関係を逆戻りさせないとする両首脳の意気込みは伝わる。

 日本側が求めた常任理事国入りへの支持について「中国側は、日本の国連における地位と役割を重視する」として従来よりは踏み込んだ表現となったが、明確な支持を示したインドへの対応とは異なった。日本側の台湾問題への対応も従来の立場を堅持する表現にとどまった。

 日朝関係については「中国側は、日朝が諸懸案を解決し国交正常化を実現することを歓迎し、支持する」と言及。日本の対北朝鮮外交について、中国側が従来よりも踏み込んだ表現でまとまった。

 最大の懸案のガス田問題は主席来日と結びつけたくない中国側の思惑もあって、最終合意には至らず「共に努力して、東シナ海を平和・協力・友好の海とする」とした。ただ、両首脳は会見で「解決のめどが立った」(福田首相)、「問題解決の全景がみえてきた」(胡主席)と進展ぶりを強調。主権や日中両国の国民感情が絡む微妙な問題だが、最終合意に向けてタイミングを探る段階に達したといえる。

 チベット問題を念頭に日本側が求めた人権問題への懸念は「国際社会が共に認める基本的かつ普遍的価値の一層の理解と追求」との表現で折り合った。身近な「食の安全」につながる中国製冷凍ギョーザ事件についても直接の言及は避け、「食品・製品の安全」との表現にとどまった。

 一方、歴史認識問題は「歴史を直視し、未来に向かう」との未来志向の表現にかわり、比重を大きく減らした。

 現在の日中間の懸案の背景には、微妙な国民感情の対立とナショナリズムの高まりがある。中国が経済発展にかじを切った改革開放から30年。対中円借款が幕を閉じ、日中関係は対等な関係を築き始めている。双方のメリットを見いだして冷静に対処する戦略的互恵関係の具体化こそが求められている。

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