ビタミンB群心筋梗塞抑制・厚労省研究班が調査
レバーやホウレンソウなどを普段の食事で食べ、ビタミンB群(B6、B12、葉酸)を多く摂取する人はあまり摂取しない人に比べて心筋梗塞(こうそく)になるリスクが37―48%低くなるとの疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が27日発表した。3 種類をバランスよくとれば予防効果がさらに高まるという。
研究班メンバーの磯博康・大阪大学教授らは全国の男女約4万人を約11年間追跡調査した。聞き取りでビタミンB6とB12、葉酸の摂取量を推計した。サプリメントは対象外。期間中に192人が心筋梗塞を発症した。
ビタミンB6の摂取量で五グループに分けた。最も摂取量の多いグループ(1日あたり1.6ミリグラム)は最も少ないグループ(同1.3ミリグラム)と比べ、心筋梗塞になるリスクが48%下がった。ビタミンB6は肉や魚に100グラムあたり0.4ミリグラム、野菜に同0.2ミリグラムほど含まれる。
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心筋梗塞防止、やっぱり魚や野菜 阪大などが国内調査
2008年05月27日19時56分
魚や野菜、豆類を多く食べる人は心筋梗塞(こうそく)になりにくい――。大阪大の磯博康教授(公衆衛生学)や国立がんセンターの研究チームが約4万人を対象にした調査でこんな結果を明らかにした。欧米でもほぼ同様の研究結果が報告されているが、国内の大規模調査で確認したのは初めて。
研究チームは、岩手、秋田、長野、沖縄の4県で90年と95年に実施された生活習慣のアンケートをもとに、40~59歳の男女約4万人の葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12の1日あたりの摂取量を推計。それぞれ摂取量別に5グループに分け、11年間にわたって追跡した。調査中、251人が心臓病を患った。
それぞれ摂取量が多いほど心臓病の危険性が減っていく傾向が確認された。摂取量が最少のグループを基準にすると、ビタミンB6では最も摂取量の多いグループの危険性は52%、ビタミンB12でも53%に減っていた。
葉酸は野菜や緑茶など、ビタミンB6は魚やレバー、豆類など、ビタミンB12は魚などに多く含まれている。日本人は一般に、葉酸やビタミンB12に比べ、ビタミンB6の摂取量が少ない。研究チームは「ビタミンB6を多く含む食品を積極的に食べることが予防につながる」としている。
葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12が欠乏すると、動脈硬化などを誘発するとされる物質「ホモシステイン」が血中で増えることが知られる。磯教授は「摂取量が多いことで、ホモシステインの生成が抑えられているのではないか」と指摘している。
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