大阪府、1100億円収支改善・08年度予算財政改革案
大阪府は11日、8月以降分の2008年度予算で総額1100億円の収支改善を目指す財政改革案を発表した。全職員の平均給与の10%分に相当する 300億―400億円の人件費カットを含む最大800億円の支出を削減する一方、資産売却などで300億―400億円の歳入を確保。私学助成や医療費助成の削減など府民生活に大きな影響を与える内容も盛り込んだ。
橋下徹知事は同日、各部署の幹部を集めた会議で「いよいよ賽(さい)は振られた。徹底した真剣な議論の末に真実が見える。府民や議会の議論を踏まえて決断したい」と話した。
2月に就任した橋下知事は「財政非常事態」を宣言。今後9年間で6500億円規模の歳出削減に取り組む意向を示すとともに、08年度は7月までの暫定予算にとどめ、8月以降の本格予算編成に向けて庁内の改革プロジェクトチームに案作成を命じていた。
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大阪府:1100億円の収支改善案 人件費3百億円超削減
大阪府の改革プロジェクトチームは11日、今年度の一般財源ベースで1100億円の収支改善を目指す「財政再建プログラム試案」(PT案)を発表した。人件費300億~400億円、一般施策経費330億円などの歳出削減に加え、府有財産売却などによる歳入増を図るとしている。市町村向け支出79億円の削減や、高齢者や障害者の医療費助成の減額、出資法人や府有施設の廃止も含む。教育、医療、福祉面で府民生活に影響するほか、文化、体育など諸施策を削減する内容で、各方面からの反対が予想される。
PT案は、各部局や府議会との折衝の「たたき台」との位置付け。橋下徹知事は、今後の議論を踏まえ、6月初旬にも府案を決定、7月に予定される臨時府議会にかける。
人件費について改革チームは、一般行政職員に警察官、教員なども含めた給与カットを視野に入れているが、案では具体的な内訳は示さなかった。
一般施策経費のうち、市町村向け支出では、地方分権を推進する目的の「市町村振興補助金」(今年度見込みで12億円)の半減や、「施設整備資金貸付金」(同34億円)の廃止などを盛り込んだ。
私学助成は、経常費だけで45億円を削減。小中学校は義務教育として公立に受け皿があることから、小中学校で30%の削減に対し、高校は10%減に抑えた。46の出資法人のうち、大阪府男女共同参画推進財団、大阪府青少年活動財団など10法人を廃止するほか、18法人を撤退や民営化などの対象にした。
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大阪府の改革案、鉄道関係3セク2社を手放す
大阪府の橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)が、府が出資する鉄道関係の第3セクター「大阪府都市開発」(和泉市)と「大阪外環状鉄道」(大阪市北区)について、府の持ち株を売却する方針を改革案に盛り込んでいることが8日、分かった。
売却には他の株主との調整が必要。大阪外環状鉄道は2007年3月期に約6800万円の純損失を計上したが、黒字の大阪府都市開発を手放すことには府議会などからも異論が出ている。
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大阪府:「おおさかの顔」も売却方針 不満の声も
大阪府の改革プロジェクトチーム案には、「おおさかの顔」ともいえる府有施設の売却や移転、民営化方針が盛り込まれた。大相撲春場所の舞台となる府立体育会館や笑いの文化を支える上方演芸資料館(ワッハ上方)も対象に。プロジェクトチームは「同種施設の有無や必要性を吟味した」とする。さらに、女性総合センター(ドーンセンター)を運営する府男女共同参画推進財団やアジア・太平洋人権情報センターへの補助金廃止など、人権諸施策も縮小される。
府立体育会館は11年度中の廃止が示された。ナンバの繁華街近くの好立地。06年度は約4100万円の黒字だったが、「機能はなみはやドームに集約できる」とされ、跡地売却の方向性まで出た。
体育会館は、府教委の方針でプロよりアマスポーツを優先し、アマ団体の利用が約7割を占める。バレーボールの利用が多く、全日本クラスからママさんバレーまで開催される。府バレーボール協会の山本章雄理事長は「アマスポーツ全体の貴重な施設。他団体とも早急に協議したい」と対応を急ぐ。
大相撲について、日本相撲協会は「正式に聞いておらずコメントできない」。体育会館は87年の建て替え時に、つり屋根や支度部屋といった独特の機能や重い土俵に耐えられるように設計している。
全国で唯一の弥生時代を専門とする弥生文化博物館(和泉市)は廃止し、近つ飛鳥博物館(河南町)への集約が示された。考古学者の直木孝次郎さん(89)は、「(中国古代に書物を大量に燃やした)秦の焚書(ふんしょ)にも比すべき暴挙だ」と憤慨する。
ワッハ上方もナンバの名所の一つ。吉本興業のグループ会社が所有するビルに入居し、府は2億8300万円の賃借料などを負担する。10年度までに他施設への移転と、規模縮小が示された。演芸ホールをなくし、展示と演芸ライブラリー機能だけを残す。雑誌「上方芸能」の木津川計代表は「ワッハは演芸の育った千日前にあるから意味がある。収益性を基準に文化を判断してはならない」と話す。存続を求め、1万2000人以上の署名も集まっている。
平和や人権活動を支えてきた施設や出資法人も縮減される。ドーンセンターは存続方針だが、男女共同参画推進財団は、「府が直接NPOなどに事業を発注できる」として今年度中の廃止方針が示された。「好きやねんドーンセンターの会」世話人の越堂静子さんは、「民間と行政の橋渡し役だった財団を残さないと女性センターの機能は失われる」と嘆く。
戦争の悲惨さを訴える出資法人「大阪国際平和センター」も存続の方向性は出たが、出費を要する特別展や企画事業は廃止が打ち出された。
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