損失3億円超を客に付け替え=名古屋のFX業者処分へ-金融庁
証券取引等監視委員会は25日、名古屋市の外国為替証拠金取引(FX)業者「ジェイ・エヌ・エス」が3億円を超す会社の損失を顧客の口座に付け替えるなど8項目に上る法令違反があったとして、行政処分を行うよう金融庁に勧告した。
検査に当たった東海財務局は、これらの違反に関し「不正・不当な行為の情状が特に重いと認められる」とする初の判断が示されたとしている。このため、最も重い業者登録取り消しなど厳しい処分が予想される。
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脱税加担で処分勧告 自社損失を別口座に付け替え
2008年4月26日 朝刊
外国為替証拠金取引のジェイ・エヌ・エス(名古屋市中区)が顧客の脱税行為に加担した上で、金融商品取引法(旧金融先物取引法)違反を繰り返していたことが分かり、証券取引等監視委員会は25日、同社と氏原直樹社長(52)に対する行政処分を金融庁に勧告した。
検査した東海財務局によると、同社は自社売買の損失を無関係の顧客口座に付け替える不当行為もしていた。金融当局は業者登録取り消しを含め、厳しい処分を検討しているもようだ。
氏原社長は、もうけを上げていた複数客の脱税行為に加担。2001年から06年の間、客に損失が出たように装いながら、海外居住者らの口座を勝手に使って一任勘定取引をした。
外為証拠金取引は少額の証拠金を元手に外貨を運用。リスクの高さからトラブルも多く、05年7月から法律の規制対象となった。しかし同社は違法な一任勘定取引を続け、客7人の売買を計約2900万円扱った。同社は悪用した口座で自社売買も行ったが、運用はすべて失敗。自社の損失を無関係の顧客15人以上の口座に付け替えた。付け替え額はことし1月時点で約3億円に上った。さらに同社は業者登録時などに自己資本規制比率を偽って届け出ていた。
氏原社長は「(脱税協力は)顧客の要望を受けた行為だったが、法令順守の認識が甘かった」と話している。損失の付け替えは既に解消したとしている。同社は昨年末現在で、ネット取引を中心に約1万7000の顧客を持ち証拠金の残高は80億円を超えるという。
Sunday, April 27, 2008
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