九州新幹線:長崎ルートの武雄温泉-諫早間が起工
九州新幹線長崎(西九州)ルート武雄温泉-諫早間(約45キロ、総事業費2600億円)の起工式が28日、佐賀県嬉野市の嬉野総合運動公園であった。地元の反対で国の予算執行が見送られる異例の事態が続いていた巨大事業が、73年の整備計画決定から35年を経て再始動した。
起工式は鉄道建設・運輸施設整備支援機構、JR九州、佐賀、長崎両県が主催。国土交通省や両県関係者ら約500人が出席したが、新幹線に反対していた佐賀県の鹿島市長と江北町長は「(新幹線反対の)住民の気持ちを考えた」として欠席、代理が出席した。
主催者を代表して古川康・佐賀県知事は「新幹線整備にはさまざまな声があった。今日までの紆余(うよ)曲折を思うと、議論を謙虚に受け止め、いいものにしなければいけない」とあいさつ。
冬柴鉄三国交相は「これで福岡、佐賀、長崎はもちろん、関西・中国との結びつきが強固なものとなる」と祝辞。続いて国交相、両県知事、支援機構理事長、JR九州社長らがクワ入れをした。
また、金子原二郎・長崎県知事は記者団に「念願を達することができた。長崎国体がある14年開通に向け、全力を挙げたい」と早期完成への意欲を語った。
国は05年度から同ルートの予算を計上したが、並行在来線のJR長崎線(肥前山口-諫早)沿線の鹿島市と江北町が「地元の衰退につながる」と着工に反対したため、予算執行が見送られた。
だが昨年末、JR九州が新幹線開業後も並行在来線の運行を続けることで、同社と長崎、佐賀両県が合意。両市町の同意がなくても着工できることになり、3月に国の着工認可が下りた。約10年後の完成を目指す。
会場近くでは、反対派が横断幕を掲げ、着工に抗議した。午後からは、長崎県諫早市で記念式典が行われる。
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