Thursday, April 24, 2008

あきる野姉弟不明:スナック経営失敗し借金 沖倉容疑者

あきる野姉弟不明:スナック経営失敗し借金 沖倉容疑者

 東京都あきる野市の調布市職員、大福(おおぶく)康代さん(54)と弟の広和さん(51)が行方不明になった事件で、姉弟の預金を勝手に引き出したとして窃盗容疑で逮捕された元あきる野市職員、沖倉和雄容疑者(60)は、市役所退職後に始めたスナック経営に行き詰まり、数千万円の借金を抱えていたという。「寡黙だが仕事はできる」。かつての上司がそう評した沖倉容疑者。警視庁五日市署の捜査本部は、沖倉容疑者が事件を主導したとみて追及する。【佐々木洋、古関俊樹、川崎桂吾】

 沖倉容疑者は八王子市の私立高から亜細亜大に進学。石油会社や東京消防庁など、2年間で3回転職し、77年に市役所に入った。障害者や生活保護の事務など、主に福祉畑を歩んだ。

 当時の上司は「指示がなくても自分で仕事を見つけるタイプ。窓口業務をてきぱきとこなしていた」と振り返る。仲の良い同僚がいたという話は聞こえてこない。「妻と子供2人がいたが私生活は語らなかった。趣味といえばマージャン。職場以外の友人とよく遊んでいた」

 共に窃盗容疑で逮捕された伊丸岡頼明(いまるおか・よりあき)容疑者(64)と出会ったのもJR福生駅前のマージャン店だったとみられる。「いつもノーネクタイで白のスーツ姿だった。キザだったけど、優しい性格で捨て牌(はい)をきれいに並べていた」と経営者の女性は言う。

 28年間勤務した市役所を57歳で早期退職した沖倉容疑者は、約2600万円の退職金の一部を元手に半年後、福生駅東口の通称「赤線街」にスナックを開いた。5、6人のホステスをそろえ、当初は繁盛した。しかし、旧知のスナック経営の女性(65)は「日本人ホステスがいなかったことで、はやらなくなった」と証言する。結局2年間で閉店し、数千万円の借金が残ったという。

 沖倉容疑者は今月11日、あきる野市内で姉弟の姉の名義のキャッシュカードを使い120万円を引き出したとされる。その3日後、やつれた顔でマージャン店に現れた沖倉容疑者は常連客に突然、借金の40万円を返した。

 「どーも」。20日もいつもと変わらない調子でマージャン店の店員に声を掛け、清涼飲料水のおまけのおもちゃを手渡したという。逮捕はその翌日だった。

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