Sunday, April 13, 2008

昆布不漁、関西人の食卓を直撃

昆布不漁、関西人の食卓を直撃

2008年03月25日

 北海道の天然昆布の不漁が、昆布好きの多い関西の食卓を直撃している。06年に台風並みの低気圧に見舞われ、昨夏の水揚げ量が過去最低を記録。なかでも主に食用となる道南産の「真昆布(まこんぶ)」が品薄で、江戸時代から続く老舗(しにせ)昆布店は今月末、大阪・キタの百貨店の出店を閉じる。減産は今年も続くとみられ、影響はひときわ大きくなりそうだ。

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中野物産の二色の浜工場に貯蔵している昆布。在庫量も大幅に減ってきているという=25日午前11時20分、大阪府貝塚市で


北海道の昆布の主な産地

 「3月31日をもちまして、休止させていただくことになりました」

 JR大阪駅前の阪神百貨店地下1階にある昆布店「神宗(かんそう)」。22日、名物の塩昆布や鰹(かつお)昆布などを買いに来た客100人ほどが並ぶ売り場前に、閉店を知らせる紙が張られていた。数十年来のファンで、関東の息子や娘の家族に年数回送っている主婦高崎としこさん(85)=兵庫県宝塚市=は「『日本の味』を買える店がなくなるのは悲しい」と肩を落とした。

 神宗は1781(天明元)年に大坂で創業。本店の淀屋橋店(大阪市中央区)など関西を中心に9店を展開していたが、北海道・白口浜産の真昆布が不漁で調達できなくなり、今年1月に「高島屋泉北店」(堺市)「JR名古屋高島屋」(名古屋市)「阪神百貨店西宮店」(兵庫県西宮市)の営業を休止していた。

 阪神百貨店の店舗は01年にオープン。閉店を惜しむ常連客らに対し、従業員は「とれないからどうしようもないんです」と言葉少なだった。残り5店舗の営業は続ける。

 「小倉屋松柏(しょうはく)」(大阪府茨木市)でも道南産の天然真昆布を使用しているため、昨年から半数以上の品目で値上げに踏み切っている。今春も価格を見直す予定だ。「このまま不漁が続くとお客さんも離れて、大阪の昆布業界は終わってしまうのでは」と嘆く。

 幅広い年代にファンを持つ酢昆布菓子「都こんぶ」。製造元の中野物産(堺市)では、道南産真昆布の仕入れ量が2~3割減る一方で、仕入れ値は2~3割上昇。年約800万個を売り上げるスタンダード商品「赤箱」(15グラム、105円)の値上げを避けるため、在庫でしのいでいる。

 昆布のつくだ煮やだし昆布などを作る加工食品会社「フジッコ」(神戸市)は昨年11月以降、昆布商品の一部を平均10%値上げした。

 北海道水産振興課によると、昨年の道産昆布の水揚げ量は例年より約5000トン少ない約1万7000トンで過去最低。代表的な銘柄の真昆布、日高昆布、利尻昆布はそれぞれ約1400~3000トンで、いずれも前年を下回った。

 海水温の上昇などで水揚げ量が減少傾向にある中、06年秋に真昆布の産地がある道南沿岸部に台風並みの低気圧が襲来。岩場の昆布の大半が流された。最高級とされる白口浜産真昆布で有名な函館市南茅部地区では、例年700~800トンある収穫が昨年はわずか50トン程度にとどまった。

 南かやべ漁協(同市臼尻町)では、例年は1キロあたり4000~5000円で取引される真昆布に6000円以上の値が付いた。「関西の問屋からは『もう少し出荷してくれ』と要望もあるが、応えることができない」。真昆布の多くは生育から出荷までに2年かかるため、今年も水揚げは減る見込みだ。

 総務省の「家計調査年報(07年)」によると、都道府県庁所在地では、大津、奈良、大阪の3市がつくだ煮購入額のトップ3(2100~1732円)を占める。

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