日経の課題 高まる現場の“経営不信” - 08/04/11
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07年12月期は、広告収入の落ち込みにより新聞関連事業の利益が前期比でほぼ半減。日経本社にとって逆風の年だった。そこで聖域なきコスト削減を実施。記者に対しては、身内の日経テレコンであっても日経以外のコンテンツを閲覧できる端末数を制限。出張に当たっては、出張後精算ではなく事前に予算申請を行う、部署によってはコピーに裏紙を使う、といった個別具体的なコスト削減が課せられている。
本社から深夜帰宅する際のハイヤーも、今は3人同乗となった。同じ方向へ帰る社員がそろうまで待っていなければならない。「仕事をギリギリまでした後で、へとへとになって帰るときに3人というのは『日経はここまで来たのか』というショックがありました」(社内報「大陽樹」の座談会での女性記者の発言)。これを受けて杉田社長(当時)は、自分の現役時代、取材にハイヤーを使えず恥ずかしい思いをした。そういう恥ずかしい思いをさせないための節約だからガマンしろ、という旨の回答をしている。だが、ハイヤーもタクシーも、車には変わりなく取材に支障はない。深夜に3人ずつ帰宅、のほうがよほど大変なような気もするのだが……。
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本社・工場の償却負担が圧迫
今後数年は、財務を揺るがしかねない大きな懸念材料がある。日経は現在の本社から西へ200メートルほど離れた場所に新本社ビルを建設中。来年3月に完成予定だ。地上31階、地下3階で、現本社ビル床面積の1・5倍の広さになる。ITで稼ぐ時代の日経を象徴し、最新鋭のITインフラを備えたビルになるという。しかし、大きさはやや中途半端。もう一回りサイズが大きければ、一つのビルに、日経BPなどのグループ会社を集結させ協業強化を加速できるのだが、とてもそのようなスペースの余裕はない。
新本社ビル建設に必要な費用は475億円。大きな設備投資は新本社投資だけではない。多ページをカラー印刷できる高速輪転機設備を東京地区で次々に導入。新工場建設もあり、過去2年だけでも印刷設備に308億円ほどをつぎ込んだ。部数急増に合わせて全国に分散印刷体制を敷いていった時期とは異なり、部数がそれほど伸びない中で新聞の付加価値を上げるための工場投資だ。
現在の高い利益水準が続くのであれば、財務のバランスを崩すことはないだろう。しかし、デジタル事業の利益成長が前期のように足踏みし、企業からの広告出稿の減少が今後も続いてしまえば、減価償却費負担がピークを迎える09年12月期に、大幅な利益悪化に襲われる可能性もある。
「再開発の誘いがあったとはいえ、新聞の先行きが不透明な今の時期に新本社を建設する感覚がわからない。工場も自前投資を抑え委託印刷を増やすのが当然だろう。同じ積極投資を行うのであれば徹底的にIT関連へ投資するべきだった。それが今の時代の常識というものだ」とベテラン記者は苦々しげに分析する。
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