築地市場移転先：シアン、基準の８６０倍 五輪計画変更か

築地市場移転先：シアン、基準の８６０倍　五輪計画変更か

　東京都中央卸売市場築地市場（中央区）の移転が計画されている豊洲地区（江東区）から高濃度のベンゼンが検出された問題で、石原慎太郎知事は１６日、当初予定の汚染対策（６７０億円）の追加を取る考えを明らかにした。都は１６年夏季五輪が東京に招致された場合、築地市場跡地にメディアセンターを建設する予定だが、計画が変更される可能性が高まった。

　都によると、豊洲の土壌から環境基準の４万３０００倍のベンゼンのほか、毒性の高いシアン化合物も８６０倍が検出された。石原知事は「きわめてショッキング。万全な対策を講じる」と述べた。

　これまで都は新市場を１３年３月に開場する予定で、築地の跡地にメディアセンターを建設するには「この時期がタイムリミット」（幹部）としてきた。