冷食各社、減産を継続・「中国製離れ」鮮明
日本たばこ産業(JT)は1日、冷凍食品の減産を当面続けると表明した。ニチレイや味の素なども減産を続ける方針で、1年間続けば冷食業界全体で 2000億円弱の減収となる見通しだ。中国製ギョーザ事件発覚からまる3カ月が過ぎたが、消費者の「中国製離れ」は鮮明になっている。原材料高に伴う販売価格引き上げの影響もあり、需要自体も低迷し始めている。
中国製冷凍ギョーザの中毒事件発覚後、JTの冷食販売額は大きく落ち込んだ。2月は前年同月実績に比べ6割減で、3、4月はともに5割減となった。これまでJTは事件発覚前に比べて、5割生産量を減らしていた。1日の決算発表の席上で、今後も「販売減少の水準と同程度の生産調整になる」(武田宗高副社長)としており、当面は5割近い減産になる方向だ。
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捜査足踏み、解けぬ不信・中国製ギョーザ事件3カ月
冷凍食品への信頼を失墜させた中国製冷凍ギョーザの中毒事件。原産地表示や検査体制強化など、輸入食品の安全性を確保する対策が動き出しているが、肝心の事件の真相は解明されないままだ。殺虫剤混入の経緯を巡って日中警察当局は対立し、次回会合の予定も決まらないなど捜査は足踏み状態が続く。事件発覚から3カ月あまり、「原因が分からなければ不安になるばかり」という消費者の不信は容易には解けない。
「おなかの子のことを考えると、不安は残る。食費が多少上がっても安心を優先したい」。コープ市川店(千葉県市川市)で妊娠中の妻と買い物に来ていた同市の男性会社員(38)はこう話す。市内の主婦(31)は「事件の原因も対策もはっきりしないままでは、ますます不安になるばかりだ」とまゆをひそめた。
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中国製ギョーザ中毒:輸入食品、生産日ごと農薬検査 生協連が対策--事件受け
中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)は11日、現在約5000種類のコープブランドの食品を3分の2に減らし、輸入食品については生産日ごとにサンプルを取って残留農薬検査を実施する--などの再発防止策を発表した。中国製の食品については製造委託先の工場を減らし、職員を現場に派遣して安全性をチェックする。
輸入食品の残留農薬を調べる検査は、これまで3年に2回程度しか行っていなかった。今後は製造日や製造ラインごとに検査する。中国製については、製造日を把握し職員を派遣する。会見した山下俊史会長は「売れ行きなどを考慮して商品数を減らし、一方で商品の開発や管理部署の担当者を1・5倍にして品質管理を向上させたい」と述べた。
一方、日本生協連の第三者検証委員会の吉川泰弘委員長(東京大大学院教授)は、「組織内部で情報共有がなかった」とする中間報告を公表した。5月にも最終報告を公表する予定。
Friday, May 2, 2008
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