Thursday, May 15, 2008

秋山脱税疑惑は「突破口」…防衛族議員、戦々恐々

秋山脱税疑惑は「突破口」…防衛族議員、戦々恐々

 社団法人「日米平和・文化交流協会」の秋山直紀専務理事(58)の脱税疑惑浮上で、与野党の防衛族議員が戦々恐々としている。一連の防衛汚職は、元防衛事務次官、守屋武昌被告の逮捕・起訴で一段落したと思われていたが、東京地検特捜部が執念の捜査を続けていたのだ。4兆8000億円という莫大な防衛関連予算にメスが入るのか。

 「特捜部長の八木宏幸氏は6月末で退任予定だが、その前に防衛汚職の総仕上げをする意気込みだ。当然、『波及必至』といわれながら足踏みしている政界ルートも視野に入れている。東京地検の伊藤鉄男検事正もハッパをかけているそうだ」

 司法関係者はこう語る。

 秋山氏が顧問を務めていた米国法人「アドバック・インターナショナル・コーポレーション」など3社は、06年までの4年間で、防衛専門商社「山田洋行」側など日米の軍事関連企業からコンサルタント料などとして数億円を集め、うち1億数千万円が使途不明となっているという。

 特捜部はすでに、軍事関連企業などの事情聴取を終えており、近く強制捜査に着手するとみられる。

 日米平和・文化交流協会は1968年設立。国会近くの超高級マンション「パレロワイヤル永田町」に事務所を構え、日米両国で年2回、軍事産業や国会議員を集めた「日米安全戦略会議」を開催する一方、「政界と日米の軍事産業をつなぐパイプ役だ」(永田町事情通)とされる。

 理事には、自民党の久間章生元防衛相をはじめ、瓦力、斉藤斗志二両防衛庁長官、武部勤元幹事長、国民新党代表の綿貫民輔前衆院議長、コーエン米元国防長官ら日米の安全保障関係者が就任(12日現在)。久間氏は秋山氏とともにワシントンやハワイの米軍施設の視察に出掛けて11日に帰国したばかり。

 また、歴代の理事には福田康夫首相や安倍晋三前首相だけでなく、額賀福志郎財務相、石破茂防衛相、民主党の前原誠司副代表など、与野党の大物議員も名前を連ねていた。

 特捜部では、秋山氏が米国法人を隠れみのに個人収入を得ていた可能性があるとみて、所得税法違反(脱税)の疑いで捜査しているが、先の司法関係者は「脱税疑惑は突破口だろう」といい、こう解説する。

 「特捜部は米GEの代理店権などをめぐり、山田洋行が秋山氏側を通じて大物防衛族議員を動かしたとの情報や資料を入手していた。秋山氏は今年1月、参院外交防衛委員会での参考人質疑で否定したが、強制捜査となれば徹底追及する」

 「また、特捜部は先月末、遺棄化学兵器処理事業をめぐる不正支出事件にも着手したが、同協会はこの関連事業でもコンサル業務を請け負っている。処理事業の総事業費は1兆円を超えるといわれる」

 今回の特捜部の動きについて、福田内閣の支持率急落が後押ししたとの見方もある。永田町事情通は「内閣支持率が20%割れして解散総選挙が遠のいたためゴーサインが出たのでは」と語る。

 最強の捜査機関は防衛利権の闇に迫れるのか。 

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