Tuesday, May 20, 2008

「身分預かり」進まず焦り…亀田パパ反撃の誤算

「身分預かり」進まず焦り…亀田パパ反撃の誤算
さらに兄弟の足引っ張ることに

 亀田兄弟の父、史郎氏(42)は20日、前日に続いてテレビ朝日の番組で「試合をやりたいのはやまやま。内藤(大助選手)ともやりたい。俺らは日本人やし、日本でも(試合を)やりたい」などと持論を展開し、トレーナーライセンスの無期限停止についても「自分の子供やもん。セコンドがでけへんだけや。教えたらアカンっていうルールないやん」と言い放った。

 亀田興毅(21)と大毅(19)の兄弟は協栄ジムとの契約解除が成立し、現在はメキシコに滞在中。史郎氏はインタビューで「自分、しつこいな」などとテレビ朝日のアナウンサーを罵倒し、契約解除の詳細な事情は「おれは言えない」と、なんの説明もしなかった。いったい何が狙いだったのか。史郎氏の話からは亀田家の誤算も見えてくる。

 テレビ朝日の関係者は「契約解除騒動についてうちの局は比較的、亀田家に厳しい内容も報じていたのに、向こうからの指名でインタビューに応じるといってきたので少し驚いた」とインタビューが亀田側の指名だったと打ち明けた。

 史郎氏はインタビューで「テレビではみんな空想で話をしとる。それじゃこちらのイメージは悪くなるばかりやろ」と猛抗議した。同局関係者は「うちでは亀田問題で、格闘技ジャーナリストの片岡亮さんや元世界王者の皆さんにいろいろと話をしてもらっているので、それに抗議がしたかったのかもしれませんね」と苦笑した。

 片岡氏は「それなら私のインタビューに応じてくれればいいのに」と笑いながら、史郎氏の本意について「兄弟の身分を東日本ボクシング協会に預かってほしいが、それがうまくいかずに焦っている感じを強くした」と指摘した。

 史郎氏はインタビューで、東日本協会の理事らが「自分たちのわがままでジムを出て、すぐに協会の身分預かりにして試合をさせてほしいなんて虫が良すぎる」と反発していることには、「それはそうやろ」と批判を受けとめてみせた。そのうえで、身分預かりの是非を判断する6月9日の理事会では「好きでも嫌いでもええが役員は中立じゃないとあかんやろ。きちんと調べたうえで多数決にしてほしい」と訴え、認められない場合には「おれは言いに行くよ。なんで預かってくれんのか聞きたい」と直談判も示唆した。ちょっとした恫喝である。

 協会側は、兄弟には事情説明を求めて「相談があればいつでも来て」と門戸を開く一方、史郎氏には「協会とは関係ない人」との立場を崩していない。ライセンスの無期限停止処分で、史郎氏はすでにボクシング界の人間ではない-という判断だ。単なる保護者の立場では、協会が聞く耳を持つ必要はない。

 片岡氏は「協栄を離れればすぐに協会の身分預かりになれると考えたのが大きな誤算」と話し、中堅ジムの会長は「口汚くアナウンサーを罵倒し、あれでは理事らも余計に反感を持つ。史郎氏には、協会に頭を下げることもなく兄弟をメキシコに行かせたことにも理事らが反発しているという認識が全くない」とあきれた。史郎氏の言動に恫喝の意味が含まれていたとして、「理事のほとんどはボクサー出身。素人が凄んでも少しも怖くない」と話す関係者もいる。インタビューの空回りは、さらに兄弟の足を引っ張ることになりかねない。

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