Wednesday, May 14, 2008

オーストラリア産大麦から残留農薬 国、買い入れ中止

オーストラリア産大麦から残留農薬 国、買い入れ中止

2008年05月14日15時02分

 三菱商事が4月に豪州から輸入した大麦2万トンから、食品衛生法の残留農薬の基準値の3倍にあたる殺虫剤成分が2種類検出され、農林水産省が買い入れを中止していた。厚生労働省は06年から残留農薬の検疫を強化していたが、この2種類を対象としておらず、検査をすり抜けていた。

 検出されたのは害虫駆除に使われるアミトラズとフィプロニル。今回は農水省が商社に求めたサンプル検査で判明。厚労省はこの2種類も大麦の検査項目に加える方針。

 輸入麦は国内の農家を守るため、政府が商社から一括購入して製粉業者などに売っている。小麦を含めた輸入麦で農水省が買い入れを中止したのは今回が初めて。

 厚労省によると、07年度の大麦の輸入量は約94万トン。計101件の輸入の届け出に対し、約1割を抽出検査している。三菱商事が今回輸入した大麦も抽出検査されたが、同省が大麦で残留農薬の検査項目とする約85種類にこの2種類は含まれていなかった。厚労省は「2種類を検査している野菜もあるが、大麦は過去に検出されたことがなかったため」と説明する。

 農水省は厚労省の検疫とは別に、輸出国の公的機関が採取したサンプルを検査のため日本に空輸するよう輸入商社に求めている。豪州側から空輸されたサンプルを三菱商事が検査機関で調べた結果、アミトラズ(基準値0.02ppm)とフィプロニル(同0.002ppm)がそれぞれ基準値の3倍検出された。

 日本でも農薬登録され、国際基準では体重60キロの人が1日にアミトラズを0.6ミリグラム、フィプロニルを0.012ミリグラムまで摂取しても健康に影響はないとされる。厚労省は今回の検出について「ただちに健康被害を及ぼすものではない」としている。

 農水省が豪州の農薬の使用状況を確認したところ、この2種類の大麦への使用が禁止されていた。今後、豪政府と協力して原因を調査する。

 冷凍ギョーザの中毒事件を受けて、厚労省は大腸菌などに限ってきた冷凍加工食品の検査に残留農薬も加えた。しかし、今回は以前から残留農薬が検査対象だった大麦で素通りしていた。

 今月9日に三菱商事が農水省に報告して発覚。輸入された大麦2万トンは事故品として、食用に流通させないことを条件に三菱商事が処分する。

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