ロシア:軍参謀総長が辞表か 軍改革で国防相と対立
【モスクワ大木俊治】ロシア紙「独立新聞」などによると、ロシア軍のバルエフスキー参謀総長が、セルジュコフ国防相の進める軍改革に反発して辞表を提出した。国防省は確認を避けているが、プーチン政権の肝いりで進められてきた改革に軍トップが反旗を翻したとすれば、5月のメドベージェフ大統領-プーチン首相の新体制発足に向けて準備を進める政権に打撃となりそうだ。
24日付の同紙によると、参謀本部など軍中央の人員削減、一部軍資産の売却など国防相が進める軍改革に対し、参謀総長が「軍の弱体化につながる」と反発していることが両者の対立の大きな原因。昨年11月、国防相に近い連邦保安庁(FSB)出身者が、それまで軍生え抜きのポストだった情報管理システムの担当責任者に任命されたことも背景にあると指摘、参謀総長のほか複数の幹部が辞表を用意したという。
プーチン政権では、01年3月~昨年2月に旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のイワノフ現第1副首相、その後は連邦税務局長官から起用されたセルジュコフ氏と、2代続けて非軍人が国防相に就任し、軍の近代化や合理化に携わってきた。軍と政権は欧米に対する強硬姿勢で一致しているが、実際に政権内で力を握ってきたのは「シロビキ」と呼ばれる旧KGBなど治安・情報機関出身者で、軍改革などを巡る内部対立はこれまでも指摘されていた。
参謀総長は昨年9月にも、60歳の定年を理由に辞表を提出したとされるが、大統領令で任期をさらに3年延長した経緯がある。同紙によると、大統領周辺は参謀総長に、混乱を避けるため5月の政権交代後まで辞任を思いとどまるよう慰留しているという。一方、インタファクス通信は国防省筋の情報として、「休暇中」だった参謀総長が職務に戻る26日以降、進退が明確になると指摘している。
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