Monday, March 31, 2008

大腸がん:高発症率、DNA配列を解析…7カ国研究チーム

大腸がん:高発症率、DNA配列を解析…7カ国研究チーム

 大腸がんの発症率を高める3カ所のDNA変異(SNP)を、1万7500人分のデータを解析した日欧など7カ国の研究チームが突き止めた。三つとも発症しやすい型だと、大腸がんの発症率は通常の2.6倍になった。大腸がんに関連するDNA解析では最も大規模な調査で、30日付の米科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」電子版に発表した。

 遺伝子の本体であるDNAは、4種類の塩基という化学物質がつながってできている。塩基配列のうち1カ所だけが通常と異なっている場所を1塩基多型(SNP=スニップ)と呼ぶ。塩基数百個に1個程度存在する。

 研究チームは各国の大腸がん患者約1万7500人のDNAデータを解析し、発症に関連する三つのSNPを確認した。このうち、中村祐輔・東京大医科学研究所教授らのグループが、日本人約4400人分を解析した。

 三つのSNPがいずれも発症率を高める型である割合は、欧米系が約280人に1人、日本人では約3500人に1人で日本人の方が低かった。日本人がそれぞれのSNPを持つ割合は4~12%で、発症率を高めるSNPが一つだけの場合、発症率は通常の1.1~1.2倍になった。

 解析に携わった同研究所の松田浩一助教は「SNPを調べて発症しやすい型を持つことが分かれば、食事に気を配ったり検診を定期的に受けることで、予防や早期発見につながる」と話している。

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