Sunday, March 23, 2008

製薬各社、臨床試験拠点をアジアに展開・安い費用、期間短く

 国内製薬各社がアジアでの新薬の臨床試験(治験)を加速している。日本よりも治験費用が安く期間も短縮できるため、第一三共は来月にもインドに初の臨床開発拠点を設立する。アステラス製薬は次期主力薬と期待する血栓症予防薬で、日本とアジアの共同治験に着手した。エーザイはシンガポールで臨床研究を開始した。国内の医療用医薬品市場は伸び悩みが続いているが、新薬の開発拠点としても空洞化が進む恐れがある。

 第一三共は、インドのムンバイに昨年春設立した販社に治験の統括機能を付け加える。まず数人の担当者を置き、順次増員する。インドで得た治験データは日本の新薬申請には使えないが、欧米で活用できる。

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日立、自動車用ターボに再参入

 日立製作所は2010年をメドにグループ会社の日立金属と組み、自動車エンジン用ターボチャージャー(過給器)の生産を再開する。日立は06年にターボの新規受注を打ち切っていたが、日米欧で自動車の燃費規制が厳しくなる中、燃費性能の高いターボ搭載車の需要拡大が見込めるため、再参入を決めた。

 日立は燃料噴射などエンジン制御にかかわる技術を得意とし、子会社でターボの基幹部品を手掛ける日立金属は耐熱材料加工の技術を持つ。両社のノウハウを合わせ、排気量2000cc以下の小さいエンジンにも使える小型ターボを作る。

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トヨタ、宮城にエンジン工場・年産20万基、東北を主要拠点に

 トヨタ自動車は宮城県に乗用車向けエンジンの新工場を建設する。2010年をめどに稼働し、当初の生産規模は年間20万基前後を計画する。投資額は 200億―300億円とみられる。宮城県や岩手県で生産する小型車に搭載する。燃費効率の高い小型車は国内外で需要が増加する一方で、競争が激しくなっている。トヨタは完成車生産が拡大する東北に基幹部品の生産を集積させて物流費などを圧縮、世界規模で小型車の競争力を高める。

 新工場はブレーキ部品などを生産するトヨタ自動車東北(宮城県大和町)の工場の近くに立地する方向で最終調整している。トヨタにとって国内5カ所目のエンジン工場で、東北では初。

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三菱電機、汎用型の小型衛星・費用5分の1

 三菱電機は汎用型の小型衛星を開発した。衛星全体を制御する中核部品や姿勢制御装置など、衛星に共通の部品や装置を小型にまとめ、大きさは約1メートル角。用途に応じてセンサーやレーダーなどを載せ替えられる。従来と比べ費用を5分の1、開発期間を半分の1―2年に短縮できる。災害地や農作物の監視などを目的に東南アジアからの受注を狙い、2011年をめどに打ち上げを目指す。

 人工衛星は用途ごとに個別開発するのが一般的。三菱は海外からの受注を増やすには費用を抑え開発期間を短縮することが不可欠と判断。衛星の基本システムを汎用性のある設計に改めた。

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