Sunday, February 3, 2008

ウクライナ:5日にWTO加盟承認…対露関係で強力カード

ウクライナ:5日にWTO加盟承認…対露関係で強力カード

 【モスクワ大木俊治】世界貿易機関(WTO)は5日の一般理事会で、ウクライナの新規加盟を承認する。親欧米のウクライナは、交渉が難航しているロシアに先駆けて加盟を実現。ロシアの加盟交渉で事実上の「拒否権」を持つことになり、天然ガス供給価格などを巡って対立するロシアへの強力な外交カードとなりそうだ。

 ウクライナは93年11月にWTOへの加盟を申請し、交渉を開始した。輸出関税の撤廃を巡り欧州連合(EU)との合意が最後まで難航していたが、1月半ばにようやく決着。一般理事会での承認後、国会での批准手続きを経て、8月には153番目の加盟国となる見通し。

 一方のロシアは、ウクライナより早い93年6月に加盟交渉を始めたが、知的財産権など国内の貿易関連法整備の遅れなどで交渉が難航し、合意の見通しは立っていない。WTOへの新規加盟は全加盟国の合意が必要なため、ウクライナの先行加盟はロシアにとって新たな障害となる可能性がある。同じく旧ソ連圏でロシアと対立する親欧米のグルジアが00年にWTOに加盟し、ロシア加盟を妨害してきたとされる経緯もあるからだ。

 ロシアとウクライナは、04年に起きたウクライナの民主化運動「オレンジ革命」で親欧米のユーシェンコ大統領が当選してから関係が悪化。06年に価格をめぐる対立からロシアが天然ガスの供給を一時停止し、ウクライナ経由でロシア産ガスを得ている欧州諸国にも大きな影響を与えた。「オレンジ革命」の主導者で昨年12月に就任したティモシェンコ首相は、いったん決着していたロシアとのガス価格合意を見直す方針を打ち出しており、12日に大統領、21日に首相が相次いで訪露し、ロシア側の譲歩を迫る意向だ。

 ウクライナは1月初め、北大西洋条約機構(NATO)加盟へのステップとなる協力関係の締結を求める公開書簡を送付。1月末にはティモシェンコ首相がブリュッセルを訪れてEU首脳と会談するなど、一段と欧米への接近を強めている。「WTOカード」を手にすれば、こうした動きに拍車がかかる可能性がある。

 ◇WTO 関税貿易一般協定(ガット)を発展的に解消し、95年1月に発足した国際機関。物の貿易だけでなく、サービスや知的所有権を含めた新しい貿易秩序の構築を目指す。旧ソ連ではバルト3国とグルジア、モルドバ、キルギス、アルメニアが既に加盟している。本部はスイスのジュネーブ。

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