さらに凄惨な事実…斉藤さん全身に傷70カ所
拘留請求のため名古屋地裁に送られた、元時津風親方の山本順一容疑者を乗せた車=愛知県警本部
大相撲時津風部屋の力士傷害致死容疑事件で、死亡した時太山(ときたいざん)=当時(17)、本名斉藤俊(たかし)さん=の傷は全身約70カ所に及んでいたことが、愛知県警捜査本部の10日までの調べで分かった。斉藤さんはこの多数の外傷で肺水腫を起こし呼吸不全などでショック死したといい、昨年6月の2日間にわたる元親方、山本順一容疑者(57)や兄弟子の暴行の激しさを示している。
◇ ◇
斉藤さんが受けた激しい暴行について取り調べが進む中、さらに凄惨(せいさん)な事実が明らかになった。
捜査本部によると、遺体の鑑定の結果、斉藤さんは顔面、肩、背中、腹、尻、太もも、ひざなどに計約70カ所の擦り傷、皮下出血、挫傷などがあり、肋骨(ろっこつ)の軟骨も折れていた。
これらの外傷で血液の水分が肺組織内に過度に漏れ出し、肺を圧迫。呼吸不全を招く肺水腫を起こしていたという。
部屋関係者の証言によると、斉藤さんは亡くなった昨年6月26日の約30分間のぶつかりげいこで、最後に兄弟子の木村正和容疑者(24)=幕下・明義豊=を押し切ったところで崩れるように倒れたという。「ぜー、ぜー」と荒い息をしていたといい、捜査本部はすでにこの時点で肺水腫を起こしていたとみている。
このけいこで、山本容疑者は斉藤さんを約1メートルの木の棒で殴るなどしたが「『力を出せ』という意味で、あくまでけいこ」と供述しているという。
鑑定によると、前日25日の暴行で、斉藤さんは広範囲にわたる細胞破壊で心不全などになる「高カリウム血症」も起こしており、肺水腫と合わせ多発外傷性ショックで死亡したとしている。
Monday, February 11, 2008
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