Tuesday, February 5, 2008

ネット証券5社、初の売買代金減 「株頼み」からの転換急務

ネット証券5社、初の売買代金減 「株頼み」からの転換急務

ネット証券大手5社の07年株式売買総額が、ネット取引の本格化以降で初めて前年割れに。収益の柱だった売買代金の減少で、「株頼み」の収益構造からの転換を急ぐネット証券が増えそうだ。
2008年02月04日 18時12分 更新

 インターネット証券大手5社の2007年の株式売買総額が、ネット取引が本格化して以来初めて前年を下回った。新興企業向け市場の長引く低迷に加え、米国のサブプライム(低所得者向け高金利型)ローンによる市場の混乱が直撃した。収益の柱だった売買代金の減少で、「株頼み」の収益構造からの転換を急ぐネット証券が増えそうだ。(高木克聡、佐藤克史)

 ネット証券大手5社の昨年の株式売買代金は前年比8.2%減の185兆円。最大手のSBIイー・トレード証券を除いて4社が軒並み減少した。減少幅は松井証券が同27.9%と最も大きかった。株式売買代金は、規制緩和で1998年5月に松井が国内で初めてネット証券業に参入してから、上昇基調を続けてきた。

 ネット証券の顧客は個人投資家が大半。昨年はサブプライムローン問題をきっかけに株価が大きく下がったため、個人投資家全体の売買は同13.7%減の277兆円(東証、大証、名証、ジャスダックの合計)と低調。株式売買代金の減少は、個人投資家が取引を手控えたことが影響した。

 今年も年明けから相場は下落傾向で、個人投資家の売買の回復には時間がかかりそうだ。大手5社の07年4~12月期決算では、投信信託や外国債券の販売、外国為替証拠金(FX)取引など株以外の分野を開拓したイー・トレード、松井、カブドットコム証券の3社が最終増益を確保したが、各社とも株式売買代金依存型事業からの転換が急務となっている。

 楽天証券は、若年層の顧客獲得に乗り出す。投信を重点商品とし、積み立て型の貯蓄性の高い商品を投入するほか、1000本の品ぞろえを目指す。利用者のあらゆるニーズに対応できる態勢を構築。国内最大級のオンラインショップを運営する楽天グループの集客力を利用し、ネット利用者に投資を促す。

 カブコムは3月、オークション方式の私設取引システム(PTS)の取引時間を日中にも拡大。開始時間を現在の午後6時半から午前8時20分に大幅に拡大させる(終了は午後11時59分で変更なし)。カブコムは「コストが安いというネットの特性を生かし低手数料を武器に個人顧客を増やす」(臼田琢美常務執行役)のが狙い。

 松井も、売買システムを改善しサービスを強化、既存顧客の取引量の拡大に重点を置き、ブランド力の浸透を図る。ネット証券各社とも株式市場に依存しない多角的な経営への転換が急務だが、大手証券のビジネスモデルと重なり、ネットの優位性を失う可能性もある。

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