Monday, January 28, 2008

鉄くず輸出で中国に24億円不正送金、7業者を捜索

鉄くず輸出で中国に24億円不正送金、7業者を捜索

 不法滞在の中国人らを相手に地下銀行を営んでいたとして、警視庁に摘発された中国人グループが、預かった現金で鉄くずを購入し、中国に輸出する形で送金していたことがわかった。

 北京五輪を控え、中国では金属価格が高騰していることから、利ざやを稼ぐ狙いもあったとみられる。

 警視庁は、輸出に関係した日本側の業者が、地下銀行の不正資金と知りながら取引していた疑いがあるとして、28日朝から、東京や大阪などの金属輸出入業者7社を銀行法違反(無許可営業)容疑で捜索、全容解明を進めている。

 同庁組織犯罪対策1課によると、銀行法違反や本人確認法違反の疑いで逮捕されたのは、神奈川、千葉県内に拠点を置く二つの中国人グループの男女12人と、グループに銀行口座を提供していた日本人の男3人。

 供述や押収資料などから、両グループが、2002年7月~昨年9月、口コミで連絡してきた各地の不法滞在の中国人ら約4000人から、約24億円の送金を依頼されていたことがわかった。

 さらに、預かった現金は、逮捕された中国人名義の銀行口座に移された後、全国の金属輸出入業者94社に振り込まれていたことが判明。一部の業者に事情を聞いたところ、「日本から鉄くずを輸出した代金として、中国側の企業から振り込まれた」と説明した。

 中国人向け地下銀行では、これまで、預かった現金を「運び屋」と呼ばれる人物が、中国に直接運び、“送金先”である不法滞在者の現地の家族らに渡していた。今回摘発された中国人グループは、高騰している鉄くずを現地で売却することで、地下銀行用の資金だけでなく、多額の利益も得ていたとみられる。

 同課は、輸出先の中国・福建省にある複数の企業も、グループの一味の可能性が高いとみている。日本側の業者の中には、総額約16億円の入金を受けていたところもあり、同庁は、入金額が多い7社について、地下銀行の関与を知った上で取引していた可能性があるとみて、捜索に踏み切った。

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