Sunday, June 1, 2008

橋下知事「体育会館を当面存続、児童文学館は廃止」

橋下知事「体育会館を当面存続、児童文学館は廃止」

 大阪府の橋下徹知事は30日、財政再建を巡る部局長との公開議論で、大相撲春場所の会場である府立体育会館(大阪市浪速区)について今年度中は存廃の判断をせず、当面は存続させる考えを示した。国際児童文学館(吹田市)は廃止し、上方演芸資料館(ワッハ上方、大阪市中央区)については移転・縮小する意向を強調した。一方、今年度の削減見送りを決めていた乳幼児、高齢者、ひとり親を対象とする医療費助成は、来年度から削減する方向で市町村と協議することを明らかにした。

 府立体育会館を巡っては、知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)が2011年度に売却する案を打ち出していた。この日、府教委側から、利用用途の拡大などの増収策が示されたため、橋下知事は「体育施設としてではなく、一等地の府有財産という観点で活用を考えてほしい」と答え、存廃の結論を先送りする考えを示した。

 同様に、判断を先送りするのは弥生文化博物館(和泉市)。PTは、近つ飛鳥博物館(河南町)との統合案を示していたが、利用促進策の効果を見定めて改めて検討することになった。

 国際児童文学館について、橋下知事は「いったん廃止し、必要だという声が出れば再構築すればいい」と廃止の考えを変えなかった。ワッハ上方についても「別の場所でいい」と、PTの移転・縮小案を支持。入居するビルの所有者である吉本興業が、賃料を値下げする考えを示しており、値下げ額を考慮した上で対応を最終決定するという。

 スケートリンクを持つ臨海スポーツセンター(高石市)は存続させる意向だが、府の運営補助金は11年度から打ち切る。

 一方、事業関連では、自己負担額を月1000円としている医療費助成について、来年度から1割負担(上限は月2500円)に見直す。ただし、障害者への助成は、来年度以降も現状通り維持する方針。

 小学校に警備員を配置するための市町村への補助金は来年度から廃止。私学助成は、高校の授業料助成世帯の所得上限を、PT試案の年収680万円から540万円に下げる一方、288万円までの非課税世帯は削減を見送るとした。

--------------------------
橋下知事、児童文学館は廃止し府立体育会館は存続方針

2008年05月31日

 大阪府の橋下徹知事は30日、改革プロジェクトチーム(PT)が廃止方針を打ち出していた府立8施設のうち、国際児童文学館など5施設を廃止する方針を決めた。大相撲春場所が開催される府立体育会館など3施設は存続させるが、運営費削減などの改善措置をとるよう担当部局に指示した。

 廃止するのは国際児童文学館(吹田市)、青少年会館(大阪市中央区)、現代美術センター(同)、文化情報センター(同)、総合青少年野外活動センター(能勢町)。

 文学館は来年度に廃止し、中央図書館(東大阪市)の書庫を改修して70万冊の蔵書を移して機能を集約する。橋下知事は運営する財団法人についても「一度廃止し、必要とする声が上がれば再構築してもいい」としている。

 PT案の廃止方針を撤回して存続させるのは、体育会館(大阪市浪速区)、弥生文化博物館(和泉市)、臨海スポーツセンター(高石市)。

 いずれも運営改善を指示し、体育会館はプロのスポーツ大会やコンサートなどの興行収入を増やし、府への年間8千万円の納付金を1億3千万円に増額することを求めた。また、臨海スポーツセンターは大規模改修が必要になる14年度まで存続させ、運営が改善されていなければ廃止し、弥生文化博物館も運営費20%削減などの経営努力をすることが条件だ。

 PTが移転方針を示していた上方演芸資料館(ワッハ上方、大阪市中央区)は、建物を所有する吉本興業の賃料引き下げなどの条件提示を待って最終判断する。

 一方、橋下知事は同日、高齢者や乳幼児、一人親家庭を対象にした医療費助成の削減時期について、PT案の11月から、来年4月に延期することを明らかにした。現在は1医療機関で患者の自己負担は月千円までだが、月額2500円の上限を維持しつつ、一割負担に変更になる。

No comments: